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高校時代・3
【高校時代・3】
ついに高校3年になった。
このころ、毎日毎日レスリングがしんどいので、早く部活を引退したい!…という思いが強かった。(笑)
今年も、新入生が入部してきた。
その中にひとり、すごく強いヤツがいた。
わざわざ広島から、レスリングの特待生で入ってきたヤツで、すでにレスリング経験者だったのだが、なんとそいつは、入部して1〜2ヶ月で僕より強くなった。
これまで僕がやってきた練習の意味は…。(泣)
その強い1年生は、体重が僕と同じ階級だったので、その後団体戦に僕が出ることは無くなった。
当たり前だが、スポーツは実力主義なのだ。
夏の初め、県の国体予選があった。
この試合に1位にならないと、これが最後の試合になる。
勝って全国大会に出たい気はもちろんある。
…けど、試合に負ければ、「早く引退できるからいいな。」という気持ちが全く無いといえばウソになる。
いや、かなりあった。
楽をしたいのだ。(笑)
けっきょく、負けた。
僕はそれほど強くないのだ。
夏休みに入ってすぐの合宿に出て、その後は夏休み中に1度も部活に行かなかった。
高校最後の夏休みは、家でゲームしたり、友達とプールに行ったりして過ごした。
久しぶりに自由を満喫できた感じだった。
青春だなぁ…。
高校3年生になると、進路を決めなければならない。
僕は、もう肉体労働はしたくないと思っていた。
レスリングをやってきて、肉体疲労にうんざりしていたからだ。
建築科で、父親も大工だったけど、そういった仕事はしたくないと思っていた。
そこで、僕は、常識破りなことを考えた。
考えた進路は、「漫画家」だ。
当時の僕は、「漫画家というのは体を動かさなくてもいいし、売れっ子になればすごく儲かるし、自分の好きなときに仕事ができる、すばらしい職業だ。」…と思っていた。(笑)
(実際の漫画家というのは、なかなか儲からない上に大変過酷な仕事である…ということを知るのは、まだまだ先のことだった。)
ノートや机に落書きするのは好きだったが、絵が特別うまいということでもない。
しかし、漫画の専門学校に行けば何とかなるだろう…と思い、早くも決断してしまった。
漫画家になる…ということをかなり簡単に考えていた。
もうすぐ、高校を卒業することになる。
卒業すれば、地元を離れて一人暮らしだ。
僕はその前に、好きな子に告白をしようと思った。
友達に相談したりもした。
ある日、その子の帰り道に待ち伏せしたことがある。
夜になったころ、うす暗い路地で、どれくらいだろうか、1時間以上は立って待ち伏せていた。
危ない奴だ。
ストーカーというのは、僕のことかもしれない。(笑)
待った末に、その子は通った。
…が、一人ではなかった。
男の子と一緒に帰っていた。
…。
男の子と一緒に帰っていた。
……。
男の子と一緒に帰っていた。
………。
…告白するどころではない。
しかも、自転車通学だったので、一瞬で僕の前を通り過ぎていった。
チラッとこっちを見た気がした。
危ない奴と思われたかもしれない。
その一緒に帰っていた男の子が、彼氏であるかどうかはわからない。
僕の見立てでは、ただの友達のようだった。
(…そう思いたい…)
しかし、かなり落ち込んだ。
そのころ、レスリングを引退していたので、時間があった。
(時々は部活をしに行っていたが)
時間があったので、よく友達とスケボー(スケートボード)をして遊んでいた。
僕は上手ではなかったけど、なかなか楽しかった。
そのスケボー仲間に、好きな子のことを相談してみた。
すると、一人が、「電話してみろいーや」と言い出した。
僕は、無理だ、やめろ、と言ったが、そいつは聞く耳を持たなかった。
彼が言うには、
「このまんまじゃ、どうせ行動しないだろうから、この機会に行動するべきだ」 ということだった。
たしかに、僕はこのままだと、告白どころか、声をかけることもしないだろう。
その点では、なるほどと思った。
そこで彼は、自分の知り合いに電話をバンバンかけ始め、僕の好きな子の携帯番号を入手したのである。
わずか10〜20分程度で。
彼は、高校に行かずに、暴走族の頭をしていたので、いろいろと顔が利く…というか、知り合いが多いようだった。
そこまでしなくていいよ…と思ったけど、この行動力を見習わなければいけないのかもしれない、とも思った。
しかし、そこで彼は、とんでもないことをしでかすのだった。
なんと、あろうことか!
その場で僕の好きな子に電話をかけたのだ!
「もしもし、君の事を好きな奴がいるんだけど、友達になってあげてくれないかな。同じ中学校に通っていた奴で、君の1つ上、中学時代は柔道部に入っていた奴なんだけど…」
と。
僕が驚いたときには、もう電話をしていた。
知らない人から、急にこんな電話がかかってきたら、どうだろう。
僕でも、これだけは分かる。
絶対に、好印象ではない!
そんなことを思っていると、彼は僕に 「はい」 と電話をよこしてきたのだ。
おいおい、いったい何をしゃべればいいんだよ!
どうも、口調からして、その子は迷惑がっているようだった。
…当たり前だが。
僕は、少々パニック状態になってしまい、何をしゃべったかは覚えていない。
おそらく、たいしたことはしゃべっていないと思うが。
相手は、僕のことを知らなかったようだ。
当然か。
そして、このいきなりの電話で、決定的なほど嫌われたはずだ。
泣。。。
こうして、僕の恋は、あっさりと終わりを告げたのだった。
終わりと言っていいだろう。
電話をした彼は、彼なりに僕を慰めてくれたが、僕の方は、お前のせいだろ!と思った。
(何かしてあげようとしてくれたことは、ありがたいんだけどね)
しかし、それがただの八つ当たりなのだということは分かっていた。
彼が何かしてくれなければ、僕はどうせ何も行動しなかっただろうから。
そして、傷心を抱きながらも、高校を卒業し、福岡は博多にある、漫画の専門学校に入学するのでであった。
はたして、福岡では、どんな出会いが待っているのだろうか?
実は、僕の人生を変えてしまうような出会いが待っていたのであった…。

