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忘れられた本
【不思議なプチストーリー・27】 〜望まれるまま、自分をさらけ出してしまう存在〜
本は、忘れ去られていた。
内容も、存在自体も。
本は、悲しく、悔しかった。
悲しく、悔しいので、自分で自分を忘れてやろうと思った。
内容も、存在自体も、忘れてやろうと思った。
しかし、本は本として存在している。
求められれば、ページをめくられれば、どうしたって自己開示してしまうだろう。
自分をさらけ出してしまうだろう。
いくら、自分で自分を忘れようと思ったとしても…。
本は、そんな「本」という存在である自分を思い、「やれやれ。」とため息をついた。
ため息で、「あとがき」の部分のページが、ぴらりとめくれた。

