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空を見上げるシカとブタ
【不思議なプチストーリー・22】 〜新しい言葉の感覚、そして刷り込み〜
ブタは空を見上げていた。
「空が落ちてきたら、ど、どうする?」
ブタはシカにたずねた。
「ふわふわしていて、気持ちいいかもね。」
シカは答えた。
「“ふわふわ”って、何? い、痛い?」
「“ふわふわ”は、ふわふわさ。たとえば、ここの草原に寝転がったような感じだよ。」
ブタは草原に寝転がってみた。
「痛いっ!!」
ブタは叫んだ。
寝転んだ場所に、とがった石があったのだ。
「これが、これが“ふわふわ”か。」
ブタは涙目になりながらシカをにらんだ。
シカは違うと説明したが、ブタは理解しなかった。
ブタは、空が落ちてくるのが心配になり、空を不安げに見上げ続けた。
「大丈夫。空は落ちてなんかこないよ。」
と、シカは言った。
ブタはその言葉に少し安心したが、空から目を離すことはなかった。
「夜になると、昼の空はなくなっている。だから、夜の間は、昼の空はどこかに降りて休んでいるはずだ。」
…と、ブタは信じていたからだった。

