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消しゴムの嫉妬
【不思議なプチストーリー・15】 〜かまってもらえる幸せ〜
消しゴムは、ご主人様にいつもいつも虐げられていた。
毎日、毎日、体を紙にこすられ、こすられ、すり減らされていた。
黒いものを、体に染みこまされ、少しづつ分離していくのだ。
痛かった。
体が削られていくたびに、痛みのあまり、柔軟な体がのけぞった。
「もうやめてくれ、いたい、いたいんだ。」
消しゴムは、また声にならない悲鳴を上げた。
悲鳴を上げると、ご主人様は、さらに強くこすった。
来る日も来る日も体をすり減らされていたので、消しゴムの体は、ずいぶんと小さくなった。
体も黒ずんで汚れ、カバーもはずされて丸裸だった。
ふと気がつくと、すぐそばに、新品の消しゴムがいた。
新品の消しゴムは、大きく、白く、美しかった。
美しく、輝いて見えた。
ご主人様の手が、新品の消しゴムを手に取り、ビニールの包装をピリピリと破き始めたのを、古い消しゴムは眺めていた。
古い消しゴムは、体をこすり続けられていた日々を思い返した。
なぜか、痛みが懐かしく思えた。
古い消しゴムは、寂しさを覚えた。
またこすられたいと思った。
また、ご主人様の手に包まれたいと願った。
だが、古い消しゴムの体がこすられることは、もうなかった。

