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海辺のニワトリ
【不思議なプチストーリー・10】 〜飛べないもの、走れないもの、泳げないもの、動けないもの〜
ニワトリは飛べなかった。
くやしくて、くやしくて、くやしかった。
カニやヒトデやウニや貝には、「飛ぶ」という概念すらなかった。
ただ、走り回るニワトリを見て、うらやましいと思った。
カニは、前へ歩いてみたいと思った。
ヒトデは、素早く動きたいと思った。
ウニは、自由に転がりたいと思った。
貝は、動いてみたいと思った。
カニもヒトデもウニも貝も、「挑戦」という遊びができることを知った。
ニワトリは、まだ飛びたいと思っていた。
しかし、目標を「海の中で自由に動く」ということに変えてみた。
ニワトリの頭に、「泳ぐ」という概念が芽生えた。
ニワトリは、自分には、まだまだいろんな可能性があることを知った。
そして、ニワトリは、暗く冷たい波にのまれていった。

