スポンサードリンク
サメとサーファー
【不思議なプチストーリー・5】 〜サメのグルメ欲〜
サメは、おじいちゃんサメに聞いて、“ニンゲン”というご馳走のことを知った。
肉も柔らかく、噛むと肉汁が口中に広がる、ものすごいご馳走らしい。
サメは舌なめずりをしながら話を聞いていた。
ある日サメは、“ニンゲン”が食べたいばっかりに、砂浜まで来てしまった。
だが、これがいけなかった。
サメは、泳ぎ続けていなければ呼吸ができなくなって死んでしまうのだ。
浅い浜辺で満足に泳げるはずがない。
サメは呼吸不足で苦しかったが、近くにいたサーファーを食べようと襲いかかった。
それほど“ニンゲン”が食べてみたかったのだ。
だが、サーファーは驚くほど屈強で、大きく開いたサメの口にサーフボードを突き刺した。
サメは、サーフボードがすごい勢いで口に入ってきたので痛かったが、自慢の歯で、ガリガリ噛んでみた。
それは硬く、噛んでも噛んでも歯が折れるばかりだった。
サメは、歯が痛いし、息苦しいしで、浜辺から急いで退散した。
泳ぐと呼吸が楽になって、気持ち良かった。
浜辺ではサーファーが、「サメを退治した屈強の男」だと、ものすごい賞賛を浴びていた。
サメは、沖の方へ戻ってくると、おじいちゃんサメにこう言った。
「おじいちゃん、“ニンゲン”は、固くてちっともおいしくなかったよ。」

